人参を電子レンジで柔らかくする方法|600Wの加熱時間と失敗しにくいコツ

人参を電子レンジで柔らかくする方法

人参は、電子レンジだけでも柔らかくなります。切り方や量、ワット数で仕上がりが変わりますが、少しの水とふんわりラップで、様子を見ながら加熱するのが失敗しにくいやり方のひとつです。

この記事では、600Wのレンジで実際に試した記録と、うまくいかないときの直し方、人参に向く料理・向かない料理についてまとめました。

人参は電子レンジだけで柔らかくなる?

結論から言うと柔らかくなります。鍋でお湯を沸かさなくても、耐熱容器に人参と少しのお水を入れてチンで大丈夫です。加熱する時は以下のことで仕上がりに差が出るようです。

  • 切り方・厚さ:厚いところや薄いところで柔らかさに差が出るので、なるべくそろえる
  • 一度に入れる量:耐熱容器の大きさに合わせて、入れすぎず、重ならないようにする
  • 電子レンジのワット数:500W・600W・1000Wなどで加熱の時間が変わる
  • 水とラップの有無:耐熱容器の中に蒸気がこもるように、少しのお水とふんわりラップがあると安心

電子レンジで人参が柔らかくなるのはなぜ?

電子レンジは、食べ物の中の水分を振動させて熱を作ります。人参は約9割が水分なので、中の水分も温まりながら、熱が入っていきます。熱が通ると、細胞同士をつなぐ部分がゆるんで、柔らかくなります。研究でも、電子レンジだけで一気に加熱すると、内部が急に熱くなって組織が傷みやすい、という報告があります。

今回は、どんな風に柔らかくなるのかを見るために、様子を見ながら加熱できるよう、1分ずつ区切って試してみました。

実際に600Wで試してみました

今回の条件は、次のとおりです。

  • 人参:約100g(厚さ5mm〜1cmの輪切り)
  • 水:大さじ1 (容器の中で人参に水をからめて、全面を濡らしてから加熱)
  • 耐熱容器に入れ、ふんわりラップをして600Wで加熱
  • 1分ずつ加熱して、そのつど楊枝を刺して確認

合計1分:1分ではまだまだ固い

合計2分:楊枝は刺さるけどまだ固い

合計3分:さっきより楊枝はすんなり入る。食感はまあまあ柔らかい

合計4分:楊枝がすんなり入る。柔らかくて甘さも出た

耐熱容器に少し入れすぎたと思っていましたが、全面を濡らして入れたのがよかったのか 、焦げもなく均等に柔らかくなりました。入れた水は、最後まで減らなかったように見えましたが、少し表面が乾いているところもあったので、大さじ1.5くらいでもよかったかもしれません。これは器や人参の量などの条件次第で変わります。必ずそうなるとは限らないので、ご自身の条件に当てはめて様子を見てくださいね。

それから今回は1分ずつ区切って加熱した結果です。一気に加熱した場合は、仕上がりが変わると思います。「4分」とひとくくりにせず、目安として見てください。

メーカーのレシピでも、約100gの人参を5mmの輪切りにして、600Wで合計4分ほどの時間が紹介されていました(水の量や、途中で上下を返す点は違います)。

人参を電子レンジで柔らかくするなら、水なしと水ありどっち?

水なしと水あり、私は迷わず水ありです。理由は3つあります。

1つ目は、研究です。熱湯と組み合わせて加熱すると、電子レンジだけのときより組織の傷みが抑えられ、生を茹でた時に近い硬さが保たれた、という結果があります。家庭で水を少し入れるのとは条件が違いますが、水があるほうが穏やかに火が入る、という方向の話だと受け取っています。

2つ目は、実際に試した感触です。大さじ1の水を入れても、少し表面が乾いているところがありました。水なしは試していませんが、水がないと、もっと乾きやすいのではと思います。

3つ目は、鍋で蒸すときと考え方が似ているからです。茶碗蒸しを鍋で蒸したときは、蒸気で包まれた鍋の中が80℃強で、乾かずにやさしく火が入りました(私の寸胴鍋の場合)。耐熱容器に少しの水を入れて、ふんわりラップをするのも、容器の中に蒸気をこもらせて、人参を乾かさないためです。茶碗蒸しの温度の話は、こちらの記事にまとめています。

ただ、鍋とレンジで違うところもあります。鍋で蒸すときは、蒸気が熱の元です。電子レンジでは、人参の中の水分も直接温まります。なので、水の役目は、人参を乾かさず、蒸気で包んで、火を均等に入れる手助けをすることだと思います。

人参の電子レンジ加熱時間の目安(600W)

私の結果では、厚さ5mm〜1cmの輪切り(約100g)で、1分ずつ区切って合計4分ほどで柔らかくなりました。

切り方や厚さが違うときは、時間も変わります。私の感覚では、細いものは30秒ずつ、厚いものは1分ずつを目安に、様子を見ながら足したいところです。量が増えたときも、一気に倍の時間にせず、少しずつ足しながら、途中で人参を上下に返すと、より均等に火が入るかもしれません。 

ワット数が違うときは、500Wなら1.2倍くらい、1000Wなら6割くらいが目安です。ただ、表示のワット数と実際の力には差があるので、短めから始めてください。

人参がレンジで柔らかくならない・芯が硬いときの直し方

今回の検証では、芯だけ固く残る失敗は出ませんでした。ここでは、一般的に考えられる原因と、直し方をまとめます。

  • まだ加熱が足りない: まだ固いときは、1分ずつ足して、楊枝と食感で確かめます。私の場合は、2分では楊枝が刺さっても固く、4分で柔らかくなりました。
  • ワット数が違う: 500Wなのに600Wの時間で加熱していないか確認して、30秒〜1分ずつ足します。
  • 厚さがバラバラ: 厚い部分が固く残りやすいです。固いものだけ取り出して追加で加熱し、次からは厚さをそろえて切ります。厚く切ったものは時間がかかるので、薄く切り直すのもひとつの方法です。
  • 量が多くて重なっている: 重なった部分は火が通りにくいことがあります。広げて並べ直すか、2回に分けて加熱します。私の場合は、全面を濡らして入れたら、重なっていても均等に柔らかくなりました。
  • 水やラップがなくて乾いた: 水を大さじ1〜1.5ほど足して、人参の表面を濡らし、ふんわりラップをして追加で加熱します。
  • 外だけ柔らかくて、芯が固い: 一気に長く加熱したときに起こることがあるようです。途中で上下を返して、ラップをしたまま少し置き、余熱で火を通すと、やわらぐかもしれません。

人参のレンチンが向く料理・向かない料理

実際に電子レンジで加熱してみて、人参の切り方によって、レンチンが向く料理と向かない料理がありそうだと感じました。

私が試した5mm〜1cmの輪切りは、合計4分かかりました。乱切りや厚切りは試していませんが、厚みがある分、もっと時間がかかりそうです。そうなると、煮込みに使う場合、レンジで時短といっても、どれだけ短縮できるのか、疑問に思いました。

私なりに使い分けるなら、こんな感じ

・細切り:レンチン向き【にんじんしりしり・サラダ・和え物・卵焼きの具材】(試していませんが、細いほど短時間で火が通ると思います)

・薄切り:五分五分【炒め物・和え物・お味噌汁・生春巻き】

・乱切り・厚切り:あまり向きません。煮込みの時短に使うなら、火を完全に通さなくても、表面が少し柔らかくなる程度で十分です【カレー・肉じゃが・グラッセ】

加熱するときの注意

  • 容器がかなり熱くなります。取り出すときは、ミトンやタオルを使ってください。
  • ラップを外すときは、先に端を少し開けて蒸気を逃がします。手や顔に蒸気が当たらない向きで、ゆっくりめくってください。 
  • 加熱中はそばを離れず、様子を見てください。長く加熱しすぎると、焦げや発火につながることがあります。
  • 小さな食べ物のかけらや食べかす にマイクロ波が集中すると、火花の原因になる、とメーカーが説明しています。水を少し入れてラップをすると、起こりにくいそうです。
  • 人参同士が触れている部分や端は、焦げやすいかもしれないので、様子を見てください。
  • 火花が出たら、すぐに加熱をやめてください。

まとめ

  • 人参は電子レンジだけでも柔らかくなります。水大さじ1を全面にからめて、ふんわりラップをして、1分ずつ様子を見るのが、失敗しにくいやり方のひとつです。
  • 私の600Wでは、5mm〜1cmの輪切り約100gで、合計4分ほどで柔らかくなりました。時間は目安なので、楊枝と食感で確かめてください。
  • 細切りはレンチン向き、厚切りの煮込みは時短になるか疑問、というのが私の感覚です。
  • 容器の熱さと蒸気に気をつけて、加熱中はそばを離れないでください。

電子レンジも科学、料理も科学。相性のいい使い方を選べば、心強い道具です。


参考:論文:岩手大学のプレスリリース:日立のQ&A(火花):日立のレシピ(人参の加熱):東京都消費生活総合センター(電子レンジの事故):日本食品標準成分表

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