ハンバーグの中まで焼けてるか不安…中心温度は何度?見分け方と確実な確認方法

ハンバーグ中まで焼けたかな

焼き色はおいしそうについた。でも、中まで火が通っているか自信がない。。。

切ってみたら中がピンクで、あわててフライパンに戻した、という経験はありませんか。かといって、不安だからと焼き続けると、今度はパサパサになってしまう。ハンバーグは、「生焼けも怖いし、焼きすぎも嫌」という、どっちにも気を遣う料理です。

私もつい、念のためにと焼きすぎ側に寄りがちです。生焼けは避けたいですからね。

この記事では、ハンバーグの中が焼けているかを確かめる目安と、見た目だけで判断するときの限界、失敗しにくい焼き方をまとめました。

ハンバーグの中心温度は何℃?目安は「75℃で1分以上」

先に答えをお伝えします。ハンバーグの加熱の目安は、中心温度75℃で1分以上です。

これは厚生労働省が示している基準で、給食施設などの大量調理の現場でも使われています。ハンバーグのように生のひき肉から作る料理は、肉の表面についていた菌が、こねる間に中心まで入り込んでいます。そのため、外側だけでなく、一番厚い中心までしっかり熱を通すことが大切です。

そして、この「中心」というのが落とし穴です。外側にこんがり焼き色がついていても、中が生焼けのままということがあります。次は、その理由からお話しします。

焼き色がついても、中が生焼けのことがある理由

こんがり焼き色がついているのに、割ってみたら中が赤かった。これは、決して珍しいことではありません。

理由は、表面と中心では、熱が届くまでの時間が違うからです。

フライパンの熱は、まず表面に伝わります。そこから中心へ向かって、時間をかけてじわじわと進んでいきます。ところが、火が強いと、中心に熱が届く前に、表面のほうが先に焼けて焦げてしまいます。見た目はおいしそうでも、中心はまだ温まりきっていない、ということが起こるのです。

ハンバーグ 温度の伝わり方

現場でも、焼き色はついているのに中がまだ、ということがありました。実験でも、中心がまだ60℃の段階で、表面にはしっかり焼き色がついていたそうです。

だからといって、焦げないように火を弱くしすぎると、今度は中心に熱が届くまでに時間がかかりすぎてしまいます。

そこで私は、まず両面の表面をしっかり焼いて固めてから、火を弱めます。でも、それだけだと火が弱すぎるので、蓋をして蒸し焼きにします。蓋をするとフライパンの中の温度が上がるので、表面を焦がさずに、中まで熱を通しやすくなります。(くわしい焼き方は、あとでご紹介します。)

焼けているかの見分け方と、その限界

ハンバーグが焼けているかどうかを確かめる方法として、よく知られているのは次の3つです。

① 割って中を見る

いくつか焼くなら、1つを半分に割って断面を確認します。中が直接見えるので、一番わかりやすい方法です。

② 竹串を刺して肉汁を見る

割りたくないときは、竹串を刺して、出てくる肉汁の色を見ます。透明なら大丈夫、赤ければまだ。

③ 押した感覚と、余熱を使って確かめる

私は、ハンバーグの真ん中を押して、固さを見ます。ただ、その感覚だけを頼りにしているわけではありません。火を止めたあとも蓋をしたまま置いて、余熱でじっくり火を通す、ということもあわせてやっています。

でも、どれも「確実」とは言えません

焼き色や断面の色だけで、中まで十分に加熱できているかを判断するのは難しいのです。割ってみて赤くないから安心、とも言い切れません。牛肉のハンバーグを使った研究では、断面の赤みは、中心が55℃を超えたあたりで見えなくなったそうです。目安の75℃には、まだ届いていない温度です。

つまり、見た目は大切な手がかりですが、それだけで「大丈夫」と言い切るのは難しいのです。

では、確実に知るにはどうすればいいのでしょうか。それは、記事の後半でお話しします。

ハンバーグは何分焼けばいい?「○分」と言い切れない理由

「ハンバーグは何分焼けば中まで火が通りますか?」とよく聞かれますが、私は「○分です」とは答えられません。ハンバーグは、焼く条件によって、火の通る時間がかなり変わるからです。

① 厚さと大きさ

同じ重さでも、厚いほど中心まで熱が届くのに時間がかかります。大きさ(直径)よりも、厚さのほうが影響は大きいようです。

② タネの温度

冷蔵庫から出したてのタネと、常温に置いたタネでは、そこまで大きくは変わらないようですが、凍ったまま焼くならさらに時間がかかります。

③ 火力と、蓋をするタイミング

最初に強火で表面を固めるのか、すぐに火を弱めるのか。いつ蓋をするのか。そこで工程が変わると、火の通る時間も変わります。蓋の使い方は、このあとくわしくご紹介します。

④ 焼き方の流れ

私は家で焼くとき、ハンバーグを成形しながら、フライパンに並べていきます。フライパンを温めて油をなじませたら、いったん火を止めて、並べ終えてから焼き始めることもあります。こうなると、「何分焼いた」という数え方は、毎回変わってしまいます。

こうした理由で、「○分焼けば大丈夫」とは言い切れません。時間はあくまで目安として、焼けているかどうかは、中を確かめるのが一番確実です。

失敗しにくいハンバーグの焼き方

生焼けも焼きすぎも避けたいときに、私が気をつけているポイントをご紹介します。

① 厚さをそろえる

火の通る時間は、大きさよりも厚さのほうが影響します。厚いハンバーグは、中心まで熱が届くのに時間がかかります。大きいものを焼くときは、厚みは変えずに、広げて作るほうが、焼き時間が変わりにくくなります。

② 両面の表面を焼いてから、弱火にする

まず片面の表面を焼いて、ひっくり返したら、こちらの面も表面を焼きます。焼き固めたら、弱火にします。強火のままだと、中心に熱が届く前に、表面だけが焦げてしまいます。

③ 蓋をして蒸し焼きにする

弱火にしたら、蓋をして蒸し焼きにします。蓋をすると、フライパンの中の温度が上がって、中まで熱が届きやすくなります。蓋をしないで焼き続けたら、60分たっても中心が50℃くらいから上がらなかった、という結果もあるほどです。蓋は、中まで火を通すための大事な道具です。

④ 蓋は、できるだけ開けない

焦げていないか心配で、ついつい蓋を開けて確認したくなります。でも、蓋を開けるたびに、フライパンの中の温度が下がってしまいます。弱火〜弱中火にしているので、そこは少し我慢します。

⑤ 火を止めたら、蓋をしたまま置く

私は、火を止めたあと、お皿や付け合わせ、ほかの料理を用意している間、5分から10分ほど、蓋をしたまま置いておきます。その間も、中心の温度は上がり続けています。中心が75℃に届いて火を止めたあとも、さらに温度が上がり、75℃以上の状態が数分続いた、という結果もあります。

実験したわけではなく私の実感ですが、フライパン自体が熱を持っているので、火を止めてもすぐには冷めません。ガスなら五徳が熱いままですし、IHでも、止めたあとしばらくは表面が熱いままです。だから、フライパンの中の温度が下がりにくく、余熱が使いやすいのだと思います。

ただ、コンロやフライパンの種類によって変わると思うので、あくまで目安です。

温度が足りなかったら、どうする?

もし中心の温度が届いていなかったら、そのまま引き続き加熱します。

割ってみて中が生っぽかったときも、そのままフライパンで焼きます。蓋をして、もう一度蒸し焼きにします。割った切り口をフライパンの底に当てて、切り口も焼いて閉じるようなイメージで焼くこともあります。

焼き色がしっかりついていても、揚げ物がきれいなきつね色でも、中がまだ温まりきっていないことはあります。だから私は、見た目で「もう大丈夫」とは判断しません。

火の入りが心配なときは、焼く工程の最後に電子レンジで仕上げることもあります。その場合は、ラップをかけるのがおすすめです。汁はねを防げますし、ラップの中に蒸気がこもって、温まりやすくなります。

現場では、見た目ではなく「測って」いました

以前、大量調理の現場で働いていました。お年寄りが食べる食事ですから、衛生面にはとても厳しく、火を通した料理は、中心の温度を測るのが習慣でした。

測るのは、鶏肉や魚、もちろんハンバーグも。とんかつ、メンチカツ、白身魚のフライといった冷凍の揚げ物も測ります。測る場所は、一番厚い部分の中心で、目安は75℃以上です。

そこまで測るのは、見た目では判断できないからです。

大量に焼くときは、スチコン(スチームコンベクションオーブン)を使います。古いスチコンには癖があって、鉄板のどこに並べたかで、焼き加減がまるで変わります。焦げていそうなところもあれば、焼き色がほとんどついていないところもあります。

冷凍のフライは、一番わかりやすい例です。油の温度が高いと、表面はおいしそうなきつね色なのに、中はまだ20℃くらい、ということが、気をつけないとざらにあります。

見た目はいいのに、中はまだ。これは、プロの現場でも普通に起こることでした。

家庭のハンバーグも、条件はいろいろです。フライパンやコンロ、厚さ、タネの温度。同じ「○分」焼いても、中の温度は変わります。だから、どうしても不安なときは、中心の温度を測るのが一番確実です。

測っていると、数字の上がり方にも違いが出てきます。その話も含めて、温度計の選び方や使い方は、こちらの記事でくわしくまとめています。

→【中心温度計の記事】

【まとめ】ハンバーグの中心温度は75℃で1分以上|焼けているか不安なときの確認方法

ハンバーグの中心温度の目安と、中まで焼けているかの見分け方、失敗しにくい焼き方をご紹介しました。

  • 中心温度の目安は、75℃で1分以上
  • 焼き色や断面の色だけでは、中まで焼けたかどうかは判断しにくい
  • 表面を焼いたら弱火にして、蓋をして蒸し焼きにする
  • 火を止めたあとも蓋をしたまま置くと、余熱でじっくり火が通る
  • 足りなかったら引き続き加熱する。見た目だけで判断しない

「中まで焼けているか」が気になるのは、パサパサに焼きすぎたくない気持ちと隣り合わせだからだと思います。この記事が、そんな迷いを少しでも軽くできたらうれしいです。

それでも不安なときは、温度を測るのが一番確実です。中心温度計の選び方と使い方は、こちらでくわしくご紹介しています。

→【中心温度計の記事】

「焼き色がついても、中が生焼けのことがある理由」を最初から見る!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考資料

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