さんまのワタ、食べていいの?鮮度の見分け方と居酒屋の裏話

さんま塩焼き

どんなに暑い夏があっても、お腹は秋を求めてきますね。

最近は秋が無くて急に冬になってしまう感じですが、日本人のアイデンティティーでしょうか、四季の旬の食材を楽しみたくなります。

本日は秋の代表的な旬のもの"さんま"から、『さんまのワタは食べてもいいのかー!?』についてお話したいと思います。

新鮮なさんまの見分け方

まずは基本知識としてさんまの見分け方です。旬で売り出されたさんまは決して安くはありませんので、おいしい物を選びたいです。

  • 口先(下顎の先端)が黄色い=鮮度の目安。鮮度が落ちると茶色に変化
  • 目が澄んでいる(黒目のまわりが濁っていない)
  • 身の張り・ツヤ

見るからにイキイキぷりぷりしていれば良さそうです。あとは脂乗りを見るのに大きさもあるといいですね。

さんまのワタは食べていいの?

さんまの塩焼き、私が子供の頃いっしょにご飯を食べた親戚のおじさんは頭と骨以外、きれいにさんまを食べていました。お皿も汚さず本当にきれいに食べていました。

でも本当にさんまのワタって食べていいものなのでしょうか。

結論:新鮮なものを、しっかり焼いて食べるなら食べられます

なんで食べられるのか。さんまは「無胃魚(むいぎょ)」という、胃を持たない魚の仲間です。食べたエサは食道からすぐ腸へ行くので、内臓にエサが溜まりにくく、傷みにくい構造だと言われています。トビウオなんかも同じ仲間みたいです。エサは30分くらいで消化・排泄されてしまうそうで、早い!

ただし、ワタを生で食べるのはおすすめしません。理由はこのあとのアニサキスのところで書きますね。ワタを食べるなら、塩焼きなど、しっかり火を通したものにしてください。ワタにはプリン体が多いので、尿酸値が気になる方は控えめに。

だからと言って好みではない方は食べないで残しても大丈夫ですからね。マナー違反にはなりません。

居酒屋の大将がワタを抜いていたのはなぜ?

さんまのワタと言えば思い出すのが、私がお店をやっていたころの近くのお店のさんまの塩焼き。私より大人の出来る大将だったので、勉強の意味もあって、ワタをどうしているかよく観察しました。

大将のさんまは、ワタを半分くらい削っている感じでした。最初は傷んだ部分でもあったのかと思いましたが、そうは見えませんでした。理由は聞いていないので、本当のところはわかりません。私の想像ですが、苦味が苦手なお客さんへの配慮だったのかもしれませんし、見た目や食べやすさ、火の通りやすさを考えてのことだったのかもしれません。

いずれにしても、焼きゃあいいってもんじゃ無いでしょっていう、プロの色気を感じました。これもまた日本人のアイデンティティーか~。

生で食べる時の注意:アニサキス

旬のさんまは、塩焼きだけじゃなくてお刺身でも大変美味しいです。でもアニサキスにはご用心ください。生で食べると、激しい腹痛などの食中毒を起こすことがある寄生虫です。

目で見て取り除くのが基本ですが、見落とすこともあります。確実に防ぐなら冷凍が安心です。厚生労働省は「-20℃で24時間以上、中心部まで冷凍」を示しています。家庭用の冷凍庫は-18℃程度で、霜取りのときに温度が上がることもあるので、余裕を見て48時間以上を目安にしてください。

加熱するなら、中心部が70℃以上、または60℃で1分以上が目安です。塩焼きは、中心までしっかり火を通してくださいね。

酢・塩・醤油・わさびでは死なないので、間違った情報には気をつけましょう。「酢締めすれば大丈夫」は誤解されがちなポイントです。

ワタは、生では食べないでください。 厚生労働省も、魚の内臓を生で食べないよう呼びかけています。

酢水はアニサキス対策にはなりませんが、鮮度のよい魚の臭みを抑える下処理としては使えます。私が居酒屋で行っていた方法は、アジの刺身を酢水にくぐらせる下処理で紹介しています。

まとめ

さんまのワタは、新鮮なものをしっかり焼けば食べられることはわかりました。あの苦みがいいんだよという方は鮮度を見極めて、えーちょっと見た目で避けますと言う方は好みを堂々貫いて皆さんおいしくいただきましょう。

お刺身や締めさんまもいいですけど、生で食べるなら冷凍したものを使うと安心です。たまにはフライパンでオリーブオイルとニンニクでっていうのもいいですね。

さんまなどを塩焼きにするとき、振り塩のムラが気になる場合は、魚を3%の塩水に漬けて均一に味をつける方法も使えます。

さあー秋だ!さんまだ!美味しいものいっぱいだ-!

参考にした資料

・東京工業大学ほか「胃を持たない魚類が収斂的に失った遺伝子を特定」(2024年5月)
・山口県「アニサキスによる食中毒」
・厚生労働省「アニサキスによる食中毒」
・市場魚貝類図鑑「サンマ」(サンマに胃はなく腸が短い、の出典)

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