
天つゆは何対何だったか。八方だしには、だしをどれくらい入れるのか。調理の仕事を20年続けてきましたが、私は配合をほとんど覚えていません。作る前に調べて、最後は味見で整える。ずっとそうしてきました。
配合は、覚えていなくても確かめられれば十分です。それなら、よく使う基本の配合を一か所にまとめておこうと思いました。自分のための控え帳でもあります。
この記事では、焼き物・煮物、だしで割るもの、酢を使うものに分けて、基本の配合を紹介します。量を変えて作りたいときは、記事の最後にある計算ツールを使ってください。
まず、配合表の見方
比率の読み方
| 用途 | 配合 |
|---|---|
| 天つゆ | だし4:醤油1:みりん1 |
「だし4:醤油1:みりん1」は、同じさじやカップで、だしを4杯、醤油とみりんを1杯ずつ入れるという意味です。大さじで量れば大さじ4・1・1、カップで量ればカップ4・1・1。比率が同じなら、量が変わっても同じ味になります。
必要な量は、材料の量や人数で変わります。この表では比率だけを載せています。作りたい量が決まったら、記事の最後にある計算ツールで調味料の量を出してください。
表の調味料は、特に書いていなければ、砂糖は上白糖、みりんは本みりん、醤油は濃口醤油です。
調味料の量り方
配合表は、配合をつかみやすいように大さじ・小さじで表示しています。重さで量る場合は、下の換算表をご覧ください。
確実に量るなら、重さのほうがいいと私は思っています。さじやカップは体積なので、入れる物の粒の大きさや、すりきりの加減で量が変わってしまうからです。たとえば同じ小さじ1でも、塩は6g、あら塩は5gです。1カップになると、塩240gに対してあら塩180gと、60gもの差が出ます。
液体でも、同じ大さじ1で重さは違います。「醤油1:みりん1:酒1」は、体積では同じ量でも、重さにすると同じではありません。
| 調味料 | 小さじ1 | 大さじ1 |
|---|---|---|
| 醤油 | 6g | 18g |
| みりん | 6g | 18g |
| 味噌 | 6g | 18g |
| 酒 | 5g | 15g |
| 酢 | 5g | 15g |
| 上白糖 | 3g | 9g |
| 塩 | 6g | 18g |
| あら塩 | 5g | 15g |
焼き物・煮物の基本配合
だしを使わず、酒・醤油・みりんで作る配合です。3つを同じ量で合わせるのが基本で、砂糖を足すかどうかで甘さが変わります。
| 用途 | 配合 |
|---|---|
| 照り焼き(鶏・ぶり) | 醤油2:みりん2:酒2:砂糖1 |
| 肉じゃが | 酒1:醤油1:みりん1 |
| 甘辛煮(ひじき・手羽元とかぼちゃ) | 酒1:醤油1:みりん1:砂糖1 |
| すき焼きの割り下 | 醤油1:みりん1:酒1(醤油100mlにつき、ざらめ30g) |
要点
だしで割る基本配合
顆粒だしで作るときは
この表の「だし」は、昆布やかつお節から取った、塩分のないだしで考えた数字です。
家庭では顆粒だしを使うことも多いと思います。私もそうです。ただ、顆粒だしには塩分が含まれています。たとえば味の素「ほんだし こんぶだし」は、1杯分(1g)あたり食塩相当量0.40g。塩分を控えた「お塩控えめのほんだし」でも0.14gあります。
顆粒だしを使うときは、パッケージに書かれた量を守って量るのが基本です。正直に言うと、私は「何杯」と大雑把に決めて入れています。そのぶん最後に必ず味見をして、醤油を控えめにするなど調整しています。
だしの量で、料理が変わる
| 用途 | 配合 |
|---|---|
| つけつゆ(もり・ざる) | だし3:醤油1:みりん1 |
| 天つゆ | だし4:醤油1:みりん1 |
| 丼つゆ(親子丼など) | だし4:醤油1:みりん1 |
| 八方だし(煮物・おひたし) | だし10:醤油1:みりん1 |
| かけつゆ(温かいそば・うどん) | だし12:醤油1:みりん1 |
| おでん・鍋 | だし20:醤油1:みりん1 |
並べてみると、醤油1:みりん1はほとんど変わらず、だしの量だけで用途が変わっているのがわかります。だしが少ない濃いつゆは、つけたり、からめたりする料理に。だしが多い薄いつゆは、汁ごと飲んだり、具にゆっくり含ませたりする料理に使います。
要点
酢を使う基本配合
| 用途 | 配合 |
|---|---|
| 酢の物(たこ・わかめ) | 二杯酢 酢1:醤油1 |
| 酢の物(きゅうり・わかめ) | 三杯酢 酢1:醤油1:みりん1 |
| 甘酢漬け(大根・かぶ) | 甘酢 酢3:砂糖2:塩少々 |
| 南蛮漬け | 南蛮酢 酢3:醤油2:砂糖2(酢大さじ3につき、だし150mlで割る) |
| 鍋・湯豆腐のつけだれ | ポン酢 柑橘果汁1:醤油1 |
| ぬた | 酢味噌 味噌2:砂糖1:酢1 |
| 酢飯 | すし酢 米1合あたり、酢大さじ1と1/2、砂糖大さじ1、塩小さじ1/2 |
要点
基本配合から味を調整するには
配合どおりに作っても、具の量や火の入り方で味は変わります。私は配合を目安にして、最後は味見で整えています。よく使う直し方をまとめておきます。
甘さが足りない・甘すぎるとき
甘いと感じるのはみりんより砂糖の方だと思うので、甘さは砂糖で調節します。照りやツヤがほしいときは、砂糖ではなく本みりんの力を借ります。
塩気が足りないとき
味噌汁を味見して塩気が足りないと感じたら、私は顆粒だしを少し足しています。顆粒だしには塩分が含まれているので、うま味と一緒に塩気も足せるからです。ただ、入れすぎて「しまった」と思うこともあります。足すときは少しずつにしてください。
酸味が立ちすぎたとき
トマト缶を使った煮込みなどで、酸味が立ちすぎることがあります。そんなときは、みりんを少し加えるとまろやかになります。
煮物の味が濃くなった・薄くなったとき
煮物が煮詰まって味が濃くなってしまったら、お湯を足します。ただ、これはダメもとです。すでに具に入ってしまった塩分が、お湯でどれくらい抜けるかにかかっています。
反対に、野菜は煮ているうちに水が出て、味が薄まります。私は水が出ることを見越して味付けをして、途中でも味見をしながら調味料を足していきます。最初の味見だけで決めてしまわないのがコツです。
どちらの場合も、最初から濃すぎない味付けにしておくのが大事です。味付けの順番や火加減は、こちらの記事で詳しく書いています。→ 煮物の味が染みない原因は『順番』でした
手元の分量に合わせて計算する
作りたい量が決まったら、この計算ツールを使ってください。比率をもとに、ほかの調味料の量を大さじ・小さじで計算します。
使い方
- 作りたい配合を選びます
- 基準にする材料を選びます(たとえば「だし」)
- その量を入れます(たとえば「500ml」)
これで、醤油やみりんなど、ほかの調味料の量が出ます。「醤油が大さじ3しか残っていないけど、天つゆは作れる?」のように、手元にある調味料の量から逆算することもできます。
だしを使う配合では、だしの種類を選べます。顆粒だしや塩入りのだしパックを選ぶと、だしの量の目安と、塩分の目安も表示されます。
ツールには、この記事で紹介した配合のほかに、茶碗蒸しやだし巻き卵の卵とだしの割合、炊飯の水、下味の塩分なども入れています。
調味料・だし・塩分の「割合」早見表。比率は体積(大さじ・カップ)、gの表示は重さです。
大さじ1=15ml、小さじ1=5ml、1カップ=200mlで換算しています。顆粒だしは「水150mlに1g(みそ汁1杯分)」、塩分は顆粒1gあたり普通0.4g・塩控えめ0.14g(味の素の表示より)。塩入りのだしパックは「1袋8gを水400ml、食塩相当量1.06g」(茅乃舎だし/札幌市の商品テストより)で計算しています。商品によって塩分は違うので、使う商品のパッケージも確かめてください。
まとめ|調味料の黄金比と基本配合
この記事では、家庭料理でよく使う基本の配合を、焼き物・煮物、だしで割るもの、酢を使うものに分けて紹介しました。
- 配合表は体積の比率。確実に量るなら重さで
- 焼き物・煮物は、酒・醤油・みりんを同じ量で合わせるのが基本
- だしで割るつゆは、だしの量で用途が変わる
- 顆粒だしには塩分があるので、醤油は控えめから
- 酢は少しずつ慎重に。ただし控えすぎるとぼやけた味になる
迷ったときは、こんなふうに使ってみてください。
- 配合だけ確かめたいとき → 配合表を見る
- 作りたい量が決まっているとき → 計算ツールで調味料の量を出す
- 味が決まらないとき → 「基本配合から味を調整するには」を読む
私も20年調理の仕事をしてきましたが、配合はいつも調べてから作ってきました。このページは、そんな自分のための控え帳でもあります。
配合がわかっていれば、迷わずに作り始められます。最後は味見をして、ご自分の好みに整えてください。この配合帳が、毎日の台所の手がかりになればうれしいです。
煮物の味付けの順番は、こちらの記事でも書いています。→ 煮物の味が染みない原因は『順番』でした
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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