昔々お店をやっていた時に『お通し』というものをお客さんにお出ししていました。
来店のお客さんに有無を言わさず提供して300円のお代を頂きます。
注文されたつまみが出来るまでの間のアテにしてもらうことと、ちょっとした席料の意味もあるのかな。
今の時代は大分無くなってしまったかもしれないけれど、小さいお店にはありがたいシステムでした。
私はこれを作るのが大好きで、いろいろなことに挑戦できるし、冷蔵庫にあるやっつけたい食材も捨てずに済んで大助かりでした。
そんな数々のお通しの中でも評判の良かった廃材のきんぴらをご紹介します。
ネーミングがヒドイです(^^;
廃材のきんぴら
廃材よりいい呼び方ないのかよと自分でも思いますが、まさに捨てちゃいそうなところを使ったのでなんともトホホ。
私がよくやったのはおでんを作るときに出る厚めに剝いた大根の皮と、千切りキャベツをしたときに出るキャベツの茎?(名称がわかりません)を使ったきんぴらです。
ちなみにその頃の私はキャベツを水に浸してから千切りすることにはまっていたので、ご丁寧に一枚一枚重ねて切っていました。
なので太いところも削いで厚さを均等にしていたのです。
だから商売繁盛致しません。脱線🚃
大根の皮もキャベツの太いところ(軸?)も千切りにして使います。
キャベツの太いところは甘さが感じられておいしいところですし、昔から皮のところが一番栄養があるなんていいます。
だから捨てそうなところでもおいしいのですよ。
でももっと自信満々にお勧めしたいのでさっくり調べました。
大根の皮の栄養
大根の代表的な栄養効能はやっぱり消化にいい!整腸効果がある!などでしょう。
その代表的な働きをするのがジアスターゼという酵素で、中心部より皮に近い方が多く含まれているそうです。
また、ビタミンC・カリウムなども皮側に多く、葉や青首近辺より根(ひげ)の生えているあたりに多く含まれているそうです。
やっぱり皮は大事でしたね。
ところがどっこい!このジアスターゼもビタミンCも熱に弱いではないか~~~!
残念なことに大根おろしにして生食することが消化酵素をとるには一番の様です。
でも皮いいね!
キャベツの軸の栄養
太いところの名称がわかりました。葉脈です。
この葉脈はキャベツのほかの部分よりも糖度が高く食物繊維も葉の2倍あるそうです。
そして葉脈にだけプロリンという、コラーゲン修復機能成分も存在していて美肌にもいいらしい!
外側の1~3枚の外葉にはビタミンCが内側よりも1.5倍、ビタミンAが全体の8割もあるそうです。
やりました!栄養一杯ありました。
キャベツの芯を私は捨てていたのですが、ここも栄養があるそうで次世代の3Dプリントフード用に使う研究もされているとか。
すごいですね。
なお、外葉がよく白くなっていて一見農薬かと思わせるものは、キャベツ自身から出ているブルームという成分だそうで、キャベツ自身が紫外線から身を守るために出しているそうです。
これでまた一安心ですね。
ケチじゃないレシピ
私が作っていたきんぴらのざっくりレシピです。※
使うもの
- 大根の皮1本分
- キャベツの外葉と葉脈あれば大根の皮と同量
- あれば彩に人参少々
- 豚こま肉3~4切れ
- 酒・みりん・砂糖・醤油適量
- 味噌ほんの少し
作り方
至ってシンプルにきんぴらを作ればOK.
ちょっとだけ旨味を足したかったので豚こま肉をさらに細かく切って炒めます。
野菜も投入して強火で炒めていきます。
多少は強い(こわい)部分なので丁寧に炒めていきます。
少ししんなりしてきたら酒・みりん・砂糖で甘さを決めます。
野菜から水分が出てきます。
お醤油・味噌で味付けて、さらにその水分が無くなっていくまで煮詰めていきます。
この辺りでは中火から弱火で。
野菜をやさしい柔らかさにするためです。
水分が無くなっていくと塩分が濃くなっていくので塩味の味付けの時は薄めにしましょう。
以上です。
FOOD WASTE
食品ロスとか食品廃棄物とか何年か前から耳にしますが、きっとますます重要視されていくのでしょう。
そういうつもりでこのきんぴらをご紹介したわけではないのですが、そっちよりに聞こえますね。
食文化って言われるくらい食べ物は地域や時代でどんどん変わっていきます。
昔はまぐろのトロの部分は捨てていたとか。
そんなわけですので、きっとこの廃材きんぴらも栄養で病気予防とかの観点でグググっと注目されるかもしれませんね。
今回私は食材のどんな部分をどんな風にどんな味にしてどんな栄養があるのか、そして捨ててしまおうとした物からも得られることがあった!ってそんなことを言ってみたかったのでしたー!
よろしくお願いいたします。
※豚肉を何枚か使ったからケチじゃないでした!